庄司いずみさんが、「人生でもっとも繰り返し作っている」ベジ料理って?【おいしい暮らし】

庄司いずみさんが、「人生でもっとも繰り返し作っている」ベジ料理って?【おいしい暮らし】
暮らし上手な人にフォーカスし、お料理をすることや食べること、心地よく暮らすためのヒントをお届けする不定期連載「おいしい暮らし」。今回は、ブログ『vege dining 野菜のごはん』の庄司いずみさんです。野菜料理研究家の庄司さんが心がけていることって?
フーディストノート
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2018/01/26
2021/10/15
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これからはベジタリアンで行こう!と決めた理由

野菜のお料理といえばこの方、というほど、おなじみの野菜料理研究家、庄司いずみさん。日本ではまだ数少ない、本格的なベジタリアン・クッキングクラス『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』も主催する庄司さんに、ベジタリアンになったきっかけや思い出の一品など、野菜料理にまつわるいろいろなお話、うかがいました。

ベジタリアン料理や野菜料理と出会ったきっかけは?

「子どもの頃から野菜好き。瀬戸内海沿いの町に育ったので新鮮な魚介が食卓によくのぼりましたが、残念ながら魚は苦手。肉料理もそれほど好きではありませんでした。
実家を離れ、一人暮らしを始めてからも、自分で作るのは野菜のおかずが中心。友達がくれば肉や魚の料理もつくったし、結婚してからはいろいろな料理にトライしましたが、野菜好きはかわらずでした。

そんな野菜好きがベジタリアンにかわったのは、産後の体のトラブルがきっかけ。乳腺炎になり高熱が出るわ、パンパンに腫れて痛いわ…。泣くほど辛かったのですが、そのときに助産師さんから『野菜とごはん中心のあっさりした食事に』と指導されたんです。
脂っこいものや肉料理を食べるとおっぱいがドロリとなり、症状が重くなる。『食べたものが自分の体をつくる』というあたりまえのことを、身をもって知りました。その上、もともとが野菜好きだったことも手伝って、『これからはベジタリアンで行こう!』と決めたんです」

ベジタリアンになってそれまでの暮らしと変わったことは?

 

「それまでも野菜たっぷりの食卓ではありましたが、ベジタリアンとなると、サラダや副菜はもちろん、今まではハンバーグや焼き魚があった場所にも、野菜料理が並ぶわけです。

『ひき肉を使わないハンバーグは?』
『野菜でつくる焼売は?』

と日々実験!もともと料理は好きなので、実験は楽しかったし、野菜好きなので、おいしくて幸せ。料理がますます楽しくなりました。

とはいえ、20年以上前のこと。当時は栄養を心配されたり、「物足りないでしょ、おいしくないでしょ」と言われることも。それが心外で、『野菜だけでも十分おいしい、野菜だけだからこそおいしい!』と思われる料理を作りたいと思うように。

野菜だけの料理本を出したい、という夢が芽生えたのもその頃ですが、日々の実験から生まれたベジタリアン料理の驚きのおいしさを伝えたい、という思いが原動力でした」

ご家族にも好評だったレシピ、教えてください!

「実験しておいしくできたベジタリアン料理は、あらためて家族にもつくりました。そんな中、娘がいたく気に入って、『そんなに好き!?』と作った私も驚いたのが、『大根の唐揚げ』。サッと蒸した大根にしょうゆなどで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げるだけの簡単料理ですが、ぱくぱく食べ、しょっちゅう『また作って!』とリクエストがきました。煮ものよりボリュームもあるので、お弁当にも便利。

これまた娘の大好物の『えのきのおやき』と並び、人生でもっとも繰り返しつくっている料理のひとつです」

これまでのMY BEST レシピは?

■大根だけのお醤油カレー

食べやすく切っただいこんを大根おろしで煮、しょうゆとカレー粉で味をつけるというシンプルレシピ。大根があまった時の使い切りレシピとしても素敵だし、大根だけなのにしみじみと深い味。ごはんに本当によく合うのです。夏にはトマトカレーや、インド風カレー、タイ風のカレーなども作りますが、冬にカレーを食べたくなったら迷わずこれを作ります。

レシピをチェック!>>

■昔ながらのしょうゆラーメン

料理教室の大人気テーマ。ラーメンというと鶏ガラでスープをとるのが普通ですが、これは精進のだしで。作り方は秘密ですが、植物性だけのだしもうまみたっぷり。だしさえとれば、味つけはごくカンタン。なのにお店のラーメンに負けないおいしさで、私自身大のお気に入りです。

気になるレシピは庄司さんのレッスンで!>>

■玉ねぎだけのハンバーグ

ハンバーグというと、たっぷりのひき肉にみじん切りの玉ねぎをあわせて作りますが、ベジタリアンになる前から野菜党だった私は、玉ねぎたっぷりのものが好きでした。ならばいっそ玉ねぎだけで、とつくってみたらこれがおいしい! ブログでも紹介したらたくさんの方が真似して作ってくれた思い出深いレシピでもあります。

レシピをチェック!>>

コンビニやファミレスにも『V』のマークが入ったメニューや商品を

これからやってみたいことは?

「どこのレストランやどこのカフェ、誰もが毎日訪れるコンビニやファミレス、社食、学食にも、1~2品はベジタリアンメニューがあるように――。というのが私の夢です。それを実現させることが、ベジタリアンの料理家である私の役割だと考えています。

ベジタリアンの人にとってだけでなく、体をリセットしたいときや、ダイエットが気になるとき、胃腸が疲れたときなど、ベジタリアンメニューをあらわす『V』のマークが入ったメニューや商品があれば、わかりやすいし選びやすい。
海外にはベジタリアンの方が多く、オリンピックまでに少しでも夢に近づけるよう、気持ちが焦っています。

もう一つの夢は、日本のおいしい野菜料理や、カンタンで楽しいベジタリン料理を海外に伝えること。

海外にいくと、ベジタリアン料理がどこのお店にもあったり、スーパーの棚にヴィーガン向けの商品が並び、ベジタリアン文化が進んでいることに驚きますが、その一方で日本の精進料理や家庭の野菜料理、そして今どきのベジカフェのベジタリアン料理は、味もセンスもテクニックも、世界でもトップクラスと感じます。それを世界に伝えることも、野菜料理家としての目標です」

庄司いずみさんへのQ&A

ブログを始めたきっかけは?

私がベジタリアンになった20年前頃は、マクロビオティックや精進料理の本はあっても、家庭で簡単に作れる野菜料理の本はありませんでした。「ないなら私が作りたい!」と考えましたが、料理の素人が料理本を出せるわけがないこともわかってました。そのうちに料理ブログのブームが始まり、ブログ本が次々ヒットするのを目にし、「本を出すならこれが唯一の道かも」と考えはじめたのがキッカケです。

1ヵ月でも食べ続けられる大好物といえば?苦手な食べ物は?

どんなものでも1ヵ月食べ続けると飽きると思いますが、ごはんなら!それもおにぎりだったら、毎日でも平気。中身は自分で毎年漬けてる梅干しが一番。海苔は焼き海苔。ケチらずに、おにぎりが全部隠れるくらい大きな海苔で巻くのが私流。苦手なのは、肉や魚など動物性の食材。もともとそれほど好きではありませんでしたし、ベジタリアンになった今、なおさら香りなどに敏感になってしまいました。

リラックスタイムの過ごし方は?

気分転換のためにヨガの時間は欠かしません。近所のヨガスタジオは朝7時からのクラスがあるので、行ける時は朝ヨガを。朝早くの仕事のときは、早起きをして10分だけでもおうちヨガをします。ゆったりとした呼吸をしながら体を動かすことで、気持ちが静まります。仕事や家事をしていると、どうしても一日中大急ぎで行動することになるので、リセットの時間として欠かせません。
あとは夕方、夫と一緒に飲むビールの時間でしょうか。ほろ酔いでおしゃべりするのが楽しいのです。

庄司いずみさんのプロフィール

★庄司いずみさんのmyレシピブック
http://www.recipe-blog.jp/profile/10990

野菜料理家。日本ベジタリアン学会会員。日本ではまだ数少ない、本格的なベジタリアン・クッキングクラス『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』を主催。野菜料理、ベジタリアン料理をブログ、レシピ本や雑誌、テレビなどのメディアなどで紹介。レシピ開発やメニュー監修も行う。リラックスタイムは「ヨガとビールにつきます」

▼庄司いずみさんのブログ「vege dining 野菜のごはん」を見る
https://ameblo.jp/izumimirun/

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