クリスマス・プディングと並び、イギリスのクリスマスに欠かせないお菓子がミンス・パイです。
長い歴史をもつお菓子で、何世紀にもわたって食べられています。
今は、丸い形で二口三口で食べられる小ぶりなタイプのものが定番ですが、
もともとは楕円形で、これはキリストが生まれたときに使われていた飼い葉桶を表していたそう。
しかし、17世紀の清教徒革命の際に、クリスマスを祝うことが禁止され、クリスマスやキリストとの関連性を感じさせないために丸い形になったとされています。
このとき、見回りに来た兵士に見つからないように、小さい形になったとか。
このようにキリスト教に関係したお菓子なので、よしをされる食べ方があります。
イエスの12使徒にちなんで、12個、クリスマスから1月5日までに毎日1つずつ食べると幸せが訪れると言われています。
現在では、クリスマス商戦が始まると同時に、ミンス・パイは店頭に並び、クリスマスはもちろんですが、いつものお茶請けとして食べるようです。
前述の通り、現在のものは小ぶりで丸いもの形をしており、
さらに加えれば、生地を蓋をし、十字の切り込みを入れるものが主流ですが、ここにも時代による変化があり、蓋をしなかったり、ツリーや星に抜いた生地がおかれたりもします。
私の記憶に間違いがなければ、ナイジェラ・ローソンが2000年頃に提案し、それが人気となり、今ではよく見かけるタイプとなりました。
見た目だけでなく、味もひねりを加えたものを随分見るようになりました。クランベリーやナッツを多く使ったミンスミートや、アーモンドプードルを加えたリッチな生地などいろいろあり、フードマガジンなどでは、どこのメーカーのものがおいしいかという特集を組んだりもします。
ミンス・パイはミンスミートとショートクラスト・ペイストリーのふたつを使って作ります。
フィリングとなるミンスミートについては
http://ricorice.exblog.jp/21298412/
生地のショートクラスト・ペイストリーについては
http://ricorice.exblog.jp/21363785/
を参照してください。
このレシピで、ミンスミートはリンク先のレシピの約半量、
ショートクラスト・ペイストリーはほぼすべて使い、直径4cmのパイ40個分です。
★材料
(5人以上分)
ミンスミート
200g(1個につき5g)
ショートクラスト・ペイストリー
280〜300g
★作り方
(1時間以上)
1.
ショートクラスト・ペイストリーをできるだけ薄く、1.5mmほどの厚さにのばし、直径6cm程度の菊型で抜く。数枚は直径5cm程度の丸型で抜く。
※余った生地はこねすぎないようまとめて、同様に型を抜く。
2.
1の菊型で抜いたショートクラスト・ペイストリーを型に敷き、ミンスミートを1個につき5g入れ、何枚かは丸型で抜いた生地をその上にのせる。
3.
温めておいた200℃のオーブンで12分、焼き色がつくまで焼く。
4.
粗熱がとれたら型から外し、網の上で冷ます。
ショートクラスト・ペイストリーをのばすときは、作業台に粉をふってそこで行ってもよし、このレシピでは、大きく切ったラップフィルムに余白を作ってショートクラスト・ペイストリーを挟んで、のばしています。
そうすると、作業台が汚れず、抜いたあとの生地もまとめやすいので。
通常のミンス・パイが、日本人にはややボリューミーな気がするので、私のレシピは、さらに小さな一口サイズです。
なるべく薄くのばすことを心掛けて作りましょう。
そうしないとフィリングであるミンスミートとのバランスがよくないのです。
型は、しっかりしたアルミ箔でできた小さなケーキ型、菊型2号を使うとベター。
アレンジとして、仕上げに粉砂糖をふったり、焼くときにアーモンドスライスをのせてもいいでしょう。