佇まい
2005-09-13 公開
仕事のパートナーFさんから手作りの「一輪挿し」をもらった。
彼女は趣味で週末に陶芸を楽しんでいる。
私も陶芸品に興味があり、いつか自分でもやってみたいと思っているが
なかなか手がつけられないでいる。
何しろ時間と根気のいる作業に思えるのである。
そんな私を横目に、Fさんは淡々と、飄々と作品を作り続けている。
以前も濃紺の深い色が印象的な「湯飲み」をくれたことがあった。
その時もたいそう感動したが、「次は何が欲しいですか?」と彼女が聞くので
図々しくも「一輪挿し」と答えた。
かれこれそれから半年?近く経った先日、まさに忘れた頃といった方がいいだろうか、
この何とも表現し難い“美しい佇まい”の壷が焼きあがったのだ。
彼女に聞くと、焼きが上手くいかなかったり、満足行く出来ではなかったりで
実に3度も作り直してくれたのだと言う。
落ち着いた佇まい。確かな存在感。地味ではなく滋味(笑?)
まるで作者を映していうようだなぁ。。。なんて思いながら
手にとって繰り返し愛でる。
そして、やっぱり今の私にはまだまだ陶芸は無理だなぁとも思う。
長期に渡って1つの作品を作り続けるタフな精神力はないし、
反映されては困る心の迷いもたくさんあるのである。