マーガレット

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おいしそう！

母の言葉にたえられず病室を出て、うす暗く沈みはじめた宮の森を歩いて下った。いつもは病院のバスで見下ろし過ぎていた花のそばをなでるように通り、玄関先で木の葉をちりとりに集めている森の住人と挨拶を交した。北海道の空気は大きく広がり、指先がかすむ。ゆったりと弧をえがく道の縁にそびえる神宮の鳥居を見上げ、なつかしい円山公園をさらに下った。危篤の時間など持てずそれは一瞬のことだろう。母との別れ......