イギリスの初夏を代表するデザートといえばサマー・プディング。
イチゴ、ラズベリー、レットカランツ、ブルーベリー、カシスなど
数種類のベリー類、おもにレッドフルーツを使い、
ルビー色もきらきらと美しいスイーツです。
しかしながら、これらの果物、多くは日本では一般的とはいいがたい。
ラズベリーのあの甘酸っぱさが欲しいし、と欲をいえばきりがなく、
冷凍や缶詰めで入手してできなくもないけれど、
もっと手軽に楽しみたいので、思い切ってイチゴだけを使って作ってみました。
★材料
(2人分)
イチゴ
250〜300g(1パック)
グラニュー糖
25〜30g(大さじ2程度)
カシスリキュール
大さじ1
食パン(8枚切り)
3枚
生クリーム
適量
★作り方
(15~30分)
1.
イチゴはヘタをとり縦半分に切る。鍋にイチゴ、グラニュー糖とカシスリキュールを入れ弱火にかける。火が中まで通り、イチゴから水分が出るまで、7〜8分、ヘラなどを使わず、鍋底にくっつきそうになったら、鍋をゆらす。
※イチゴがやわらかくなりつつも、形をとどめている程度に。
2.
食パンは耳をとり、まずは器の上(ふたとなる)部分を型抜いておき、器にしっかり敷き詰める。
※重なる部分はなるべく少なく。そうでないともそもそした食感になる。
3.
1のイチゴのシロップを大さじ4〜5ほど注ぎ、食パンにしみ込ませる。次いで、イチゴの果実をシロップと一緒にスプーンで静かに入れる。
※器のぎりぎりまで入れる。
4.
2の型抜いた食パンでふたをし、ぴっちりとラップをする。皿などで軽く重しをし、冷蔵庫に入れ、1晩寝かす。
5.
静かに型から外し皿に盛り、生クリームをかける。
イギリスにはボウルに似たプディング用の器が存在しbasinと呼ばれますが、冷蔵庫の中で寝かせるにはかさばるし、で小さい容量にしました。カフェオレボウルでちょうどよい分量です。大きめのお茶碗や小ぶりの丼でも十分です。
グラニュー糖はイチゴの1割で。
イチゴは粒の小さいものの方がよいですが、大きい場合は1/4程度にカットしましょう。イチゴによって甘さややわらかさは違うので、煮る時間は目安。火にかけるときは、ゆっくりじっくりと、なるべく形を残すために手をかけないように注意します。
イチゴはカットしているので、火が通り、中にシロップがしみるのが目でわかります。イチゴから水分が出たことを確認して火からおろします。
甘さが足りない場合は、食べるときにグラニュー糖をふってどうぞ。
もしイチゴやシロップが余ったら、とっておいて食べるときにかけましょう。ミキサーでまわしてリッチなソースにして使うのもおすすめです。
イチゴを入れるときに先にシロップを少し流すのは、色付けと味としみ込ませるため。食パンは液体をよく吸うと思いがちですが、イチゴのシロップはとろみが適度にあるので、思うほどは浸透しないのです。
食パンは必ず白いパンを使ってください。そして食パンの厚さは8〜15mmで。8枚切りで15mmなので、これが最厚です。これ以上厚いともごもごしてしまいます。(残ったパンはパン粉にするなどして、捨てないようにしましょう。)
作って1〜2時間で食べられなくはありませんが、1晩おくと、味がよりなじみます。食パンにほどよくイチゴのシロップがしみて、知らずに食べたら食パンを使っているとは思えないのもこのプディングのおもしろいところです。